技術情報
鋳鉄系鋳物の鋳造方案
株式会社ツチヨシ産業 技術顧問 松浦 博 |
9.湯口・湯道の設定
■湯口系を決定する際の一般 的留意事項 |
◆ 溶湯の分配が鋳物の隅々まで行き渡るように堰の位置に配慮する
◆ 湯境等が発生しないように適切な鋳込時間を与える
◆ スラグや砂などの巻き込みを防ぎ、除去する
◆ 加工面が多いものでは、フィルターの採用も考慮
◆ 湯境等が発生しないように適切な鋳込時間を与える
◆ スラグや砂などの巻き込みを防ぎ、除去する
◆ 加工面が多いものでは、フィルターの採用も考慮
『静かに速く』が原則

図6 湯口・湯道設定

図6 湯口・湯道設定
■湯口・湯道設定の理由 |
◆ 鋳物重量(W):62kg(製品:52kg)
鋳込み高さ(H):50cm
◆ セラミックフィルター採用
◆ 参考値 湯口断面積:D
D=W/ρ×t×s√2gH
ρ=溶湯比重(69g/c㎡)
t=鋳込時間(26sec)
s=流量係数(0.9)
D=1.22c㎡(約φ1.2)
◆ 湯口径は充分大きい、フィルターの抵抗考慮
●参考資料17【鋳鉄鋳物における鋳込時間の算出式】
t=A+(1+T0.8)WY
t=鋳込時間(sec)
W=重量(kg)
T=平均肉厚(cm)
A=ムセ定数 (0~7sec)
●参考資料18【肉厚による鋳込時間と鋳込重量との関係】
鋳込み高さ(H):50cm
◆ セラミックフィルター採用
◆ 参考値 湯口断面積:D
D=W/ρ×t×s√2gH
ρ=溶湯比重(69g/c㎡)
t=鋳込時間(26sec)
s=流量係数(0.9)
D=1.22c㎡(約φ1.2)
◆ 湯口径は充分大きい、フィルターの抵抗考慮
●参考資料17【鋳鉄鋳物における鋳込時間の算出式】
t=A+(1+T0.8)WY
t=鋳込時間(sec)
W=重量(kg)
T=平均肉厚(cm)
A=ムセ定数 (0~7sec)
ムセ定数 | ||
中子なし及び簡単なもの | 小物 | 0 |
中物 | 0~1 | |
大物 | 2~3 | |
中子少なく普通 なもの | 小物 | 1 |
中物 | 1~2 | |
大物 | 2~4 | |
中子やや多く複雑なもの | 小物 | 1~2 |
中物 | 2~4 | |
大物 | 3~5 | |
中子多く複雑なもの | 小物 | 2~3 |
中物 | 3~5 | |
大物 | 4~7 |
重量区分による係数 | ||
W | 乗数 | 値 |
5kg以下 | 0.6 | 2.63 |
10kg以下 | 0.58 | 3.8 |
20kg以下 | 0.56 | 5.35 |
30kg以下 | 0.54 | 6.28 |
40kg以下 | 0.52 | 6.81 |
50kg以下 | 0.5 | 7.07 |
60kg以下 | 0.48 | 7.14 |
70kg以下 | 0.46 | 7.06 |
80kg以下 | 0.44 | 6.88 |
90kg以下 | 0.42 | 6.62 |
100kg以下 | 0.4 | 6.31 |
200kg以下 | 0.39 | 7.9 |
300kg以下 | 0.38 | 8.74 |
400kg以下 | 0.37 | 9.18 |
600kg以下 | 0.35 | 9.38 |
800kg以下 | 0.33 | 9.08 |
1000kg以下 | 0.3 | 7.94 |
2000kg以下 | 0.3 | 9.78 |
●参考資料18【肉厚による鋳込時間と鋳込重量との関係】



●参考資料19【湯口比】
【加圧系方案の一般的な湯口比】
【非加圧系方案の一般的な湯口比】
※但し、セラミックフィルター採用のものでは、異物はせき止められ、乱流は生じにくいので、湯口比はあまりこだわらなくても良いように思われる。
むしろ鋳込み時の溶湯温度低下によるフィルターの詰まり対策が必要である。
【加圧系方案の一般的な湯口比】
|
備考(提唱者など) | ||||||
推奨値1) |
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最も一般的な値 | |||||
推奨値2) |
|
薄肉製品に適用 | |||||
推奨値3) |
|
||||||
推奨値4) |
|
Doriwa、Frede、Lehman ら | |||||
推奨値5) |
|
【非加圧系方案の一般的な湯口比】
|
|||||
|
|||||
|
|||||
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※但し、セラミックフィルター採用のものでは、異物はせき止められ、乱流は生じにくいので、湯口比はあまりこだわらなくても良いように思われる。
むしろ鋳込み時の溶湯温度低下によるフィルターの詰まり対策が必要である。
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