技術情報
鋳鉄系鋳物の鋳造方案
株式会社ツチヨシ産業 技術顧問 松浦 博 |
8.押湯の設計
●押湯の目的と役目
押湯は鋳込まれた溶湯の温度降下及び凝固に伴って生じる収縮に対して溶湯を補給し、いわゆる引け巣を防止する。
また同時に鋳型内に鋳込まれた溶湯に静圧を与えて、停滞しているガスや溶湯から発生するガスを除去する役目も果たす。
押湯は鋳込まれた溶湯の温度降下及び凝固に伴って生じる収縮に対して溶湯を補給し、いわゆる引け巣を防止する。
また同時に鋳型内に鋳込まれた溶湯に静圧を与えて、停滞しているガスや溶湯から発生するガスを除去する役目も果たす。
■押湯設計時の一時的留意事項 |
◆ 引け巣防止のため押湯の位置、大きさ、数、高さ
◆ 押湯付着部の除去のし易さ
◆ 鋳型のし易さ
◆ 押湯付着部の除去のし易さ
◆ 鋳型のし易さ

図6 押湯の設定
■押湯設定の理由 |
◆ 温度勾配が理想的な湯口兼用サイド押湯の採用
◆ 押湯付着部の除去作業の容易さ
◆ 通気度が高いため、製品最上部への揚りはつけず
●参考資料9【押湯形状・大きさの設定方法例1】
◆ 押湯付着部の除去作業の容易さ
◆ 通気度が高いため、製品最上部への揚りはつけず
●参考資料9【押湯形状・大きさの設定方法例1】
【トップライザー】

【サンドライザー】

【サンドライザー】

●参考資料10【押湯形状・大きさの設定方法例2】

●参考資料11【押湯形状・大きさの設定方法例3】

●参考資料12【モジュラス法/各種形状のMの求め方】
●参考資料13【モジュラス法/製品、押湯ネック、押湯のモジュラスの関係】
【ダクタイルの鋳鉄の場合】
製品重要部のモジュラス:MC
押湯ネック部のモジュラス:MN
押湯部のモジュラス:MRとして、MC:MN:MR=1.0:0.5~0.6:1.2
【ねずみ鋳鉄の場合】
製品重要部のモジュラス:Mf(=fxMs)
押湯ネック部のモジュラス:MN
押湯部のモジュラス:MRとして、Mf:MN:MR=1.0:0.5~0.6:1.2
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円 a≧5W 板 a≧5Wのとき 図のように底面積1の単位を考えると V=1cm3×W、A=2cm2、 M=V/A=W/2(cm) |
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棒(長さ≧5×断面寸法)図の如く単位体を考えると V=a×b×1cm、A=2(a+b)×1cm M=V/A=ab/2(a+b) 棒全体についても同様となる。 |
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内接面積 内接球 |
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M=rh/2(r+h) | ||||||||||||||||
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M=ab/2(a+b) |
【ダクタイルの鋳鉄の場合】
製品重要部のモジュラス:MC
押湯ネック部のモジュラス:MN
押湯部のモジュラス:MRとして、MC:MN:MR=1.0:0.5~0.6:1.2
【ねずみ鋳鉄の場合】
製品重要部のモジュラス:Mf(=fxMs)
押湯ネック部のモジュラス:MN
押湯部のモジュラス:MRとして、Mf:MN:MR=1.0:0.5~0.6:1.2

●参考資料14【モジュラス法/鋳物における凝固係数(M)と凝固時間の関係】

●参考資料15【GIRIの計算図表による押湯の求め方】
【種々の形状に対するL(長さ)、W(巾)、T(厚さ)の決め方の例】


●参考資料16【形状係数[L+W]/Tと鋳物重量から押湯を求める図表】
![形状係数[L+W]/Tと鋳物重量から押湯を求める図表](../../../images/service/technical/image044.gif)
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